後ずさりしながらドミニオン

Nous entrons dans Dominion à reculons.

ドミニオンのルール変更(2019)

 ドナルドから、ドミニオンのルール変更といくつかのカードに対するエラッタが発表されました。その内容を翻訳します。

 なお、翻訳元はこちらのShuffle iTフォーラムへの投稿で、他にDominion Strategy ForumBGGreddit、Discordで見ることができます。お好きなところでご確認ください。適宜追記がありますので一番人がいて議論の飛び交うDominion Strategy Forumで見るのがよいかと思います。更新履歴は最後にまとめています。

〔2019年10月11日追記〕変更後の議論の結果、新たに2点追加改定が発表されました。それによりはみだし者、大君主、相続のエラッタ、および第3節の捨て札参照について古くなった部分があります。次の記事に翻訳したのでそちらをご覧ください。

ssly-seesaw.hatenablog.com

 


ドミニオンエラッタとルール変更(2019)

 いくつかのルール変更およびカードの修正を実施することになりましたので、この投稿ですべて説明します。変更の理由は以下のとおりです。

  • カードの中には同じ名前が書かれているにもかかわらず異なる能力を持ってしまうものがあり、問題の原因となっていました。最悪の場合(極めて奇天烈な状況ながら)、カードを使用するというのに何を実行するのか分からなくなります。ここまで極端でないにしてもこの手のカードは混乱を招きがちです。
  • 捨て札にあるカードが覆われてしまうとそのカードに対する効果が失敗する場合がありましたが、直観的ではありませんでした。
  • 付随して細かいルールを2点追加し、少しばかりの明確化とテクストの簡略化を行います。

 変更はオンライン上でまもなく実装することになっていますが、実機についてはこの投稿を以て即座に有効とします。もちろん、実際のカードで遊ぶときは把握していなくてもよいでしょうし、好きなように遊んでもらってかまいません。とはいえ、変更により改善する点は多く、適用するよう推奨します。

追記:上記段落は深く考えて書いたとは言えず、説明すべきでしょう。〔英語版の〕拡張セットを新たに刷るときが来れば、支配や仮面舞踏会の先例のように新しいカードテクストで作ります。オンラインでまもなく実装されるのは、そうできるからです。しかし当然、実機のカードを持っている人は実際に古い諸版を持っていて、絶対にエラッタを適用して遊ばなくてはならないというわけではありません。友達に「実はこういうテクストでこういう動きをするんだ」と説明しなくてはならないなんて望ましくないでしょう。やってもよいですが、そうしなければ楽しく遊べないわけではありません。拡張セットの再版時ではなく今こうして変更を説明しているのは、あくまでもしばらくすればオンラインで実装されるからなのです。

 

 1. エラッタ

 8種類のカードにエラッタを適用します。4種は「変身」系カード shapeshifterです。これらは別のものへと姿を変えたり、他のカードの形を違うものに変えてしまいます。多くのルール上の疑問や若干の不具合を引き起こしてきたため、これらのカードは船長 Captainやネクロマンサーに類するカードに修正します。すなわち、自身が別のカードに変わるのではなく、カードを選んで使用するようになります。3種は使い捨て系カード one-shotsで、上述の旧変身系カードと組み合わせると異なる挙動になるでしょう。修正後もこれまでと大きく変わることはありませんが、状況によっては働きが変わります(例えばネクロマンサーや船長と組み合わせた場合)。最後に行進ですが、玉座の間 - 持続カードのルールが数年前に変わった際に発生してしまった、持続効果のトラッキングに関する問題を解消しています。

 将来的にはそれぞれ収録されている拡張セットを刷り直し、新しいテクストを持ったカードと対応するFAQを作りますが、おおやけになった以上これらの変更は直ちに適用してもらってかまいません。新しいカードテクストは以下のとおりです。

 

はみだし者 アクション $5
サプライにある、このカードよりもコストの少ないアクションカード1枚を、サプライに置いたまま使用する。

大君主 アクション 8負債
サプライにある5コストまでのアクションカード1枚を、サプライに置いたまま使用する。

相続 イベント $7
ゲーム中に1度だけ:サプライからコスト4以下の勝利点カードではないアクションカード1枚を脇に置く。あなたの屋敷トークンを、そのカードへ移動する(あなたのターン中、屋敷はアクションカードでもあり、能力「あなたの屋敷トークンを置いたカードを、脇に置いたまま使用する」を持つ)。

角灯 Lantern アーティファクト Artifact
あなたの使用する国境警備隊 Border Guardはカード3枚を公開して2枚を捨て札にするようになる(その3枚が全てアクションカードの場合のみ、角笛 Hornを得る)。

死の荷車 アクション - 略奪者 $4
このカードか手札のアクションカード1枚を廃棄してもよい。そうした場合、+$5
--------
このカードを獲得したとき、廃墟2枚を獲得する。

略奪 アクション - アタック $5
このカードを廃棄する。そうした場合、略奪品2枚を獲得し、手札が5枚以上ある他のプレイヤーは手札を公開して、あなたの選んだカード1枚を捨て札にする。

抑留 アクション $2
+$2
このカードを廃棄する。そうした場合、抑留トークン1枚をサプライの山札1つに置く(ゲーム終了まで、その山札からカード1枚を購入するとき、購入するプレイヤーは呪い1枚を獲得する)。

行進 アクション $4
手札にある持続カードではないアクションカード1枚を2度使用してもよい。そのカードを廃棄する。そのカードよりコストがちょうど1多いアクションカード1枚を獲得する。

 

2. 元変身系カードにより発生した持続効果のトラッキング

 カードの中には上述の新しいはみだし者のように、カードを使用するにもかかわらず場に出さないものがあります。はみだし者を使用するときは、はみだし者によって使用するカードが本来場を離れるようになる時点まで、はみだし者を場に出したままにしておきます。通常、使用したのと同じターンのクリーンアップフェイズですが、持続カードを使用したはみだし者については、持続カードが一切の効果を終える最後のターンのクリーンアップフェイズになります。また、はみだし者で玉座の間を使用することで持続カードを使用した場合、その持続カードが場を離れるターンのクリーンアップフェイズになります。はみだし者で使用したカードが自身を場から移動できるカードの場合――例えば鉱山の村だとしましょう。この場合、鉱山の村は自身を移動することができません。したがってはみだし者は全く通常どおり場を離れます。はみだし者が複数の持続カードを使用する場合(例:玉座の間を使ってはみだし者を使う場合)、持続カード全てが一切の効果を終える最後のターンのクリーンアップフェイズまで場に出しておきます。

このルールはカードを使用するにもかかわらず場に出すことのないもの全てに適用します。現在のところ、はみだし者、大君主、相続、ネクロマンサー、船長があります。

 

3. 消息不明ルール改め移動阻止ルール stop-moving、および捨て札からのカード移動

 ゲーム中、一度移動したカードをそれ以上移動できなくなることがあります。これを消息不明と呼びならわしていました。実際にそのカードを見失ってしまう状況のためのルールでした。しかし、たいていは正確にそのカードの在処を分かっているものですから、これからは移動阻止ルールと呼ぶことにします。このルールは次のように修正します。

移動阻止ルール:ある効果がなんらかのカードを移動できるのは、効果がカードをどこから移動するか特定している場合、あるいは効果が、そのカードの今まさにある場所から動かす場合に限られます。あるはずだと効果が予期する場所にカードがない、あるいはあったとしても一度場を離れてから戻ってきていた場合、その効果はカードを動かせません。なお、使用したカードは場に出ているはずだと予期されます。したがって、場に出ていなければそのカード自身による効果であっても移動することはできません。獲得したカードは獲得先に(捨て札ではない場合もある)あるはずだと予期されます。捨て札のカードは他のカードによって覆われてしまっても移動できますが、デッキの一番上にあるカードは覆われると移動できません。

 加えて、捨て札からカードを移動するように指示があった場合は、そのカードを移動するために捨て札を全て見ることができるようになります。これは上述のルールから派生するにすぎません。捨て札の上のほう数枚だけしか見てはならないということはなく、捨て札全体を見てかまいません。

 この修正の主眼は、旧来は捨て札で覆われてしまったカードを消息不明としていたところ、今後は見失わなくなるという点にあります。例として、身代わりで屋敷を暗躍者にするとしましょう。旧来は金貨を獲得することで暗躍者が覆われてしまうため消息不明となっていましたが、今後は見失わずデッキの上に置くことになります。

 

4. サプライに置かないカードは名指しされるだけで獲得できるようになる。

 サプライに置かないカードを獲得する指示に名前が明示されている場合、獲得はそのカードの山札(もちろんサプライにはない)から行います。

 このルールによって、この類のカードテクストから「そのカードの山札から」from its pileという表現を取り除くことができます。実際に獲得できることを表すにはあまりスマートと言えなかったためです。

 

5. コストは0コイン未満にならない。

カードのコインコストは0コイン未満になりません。同じくポーションコストは0ポーション未満になりませんし、負債コストは0負債未満になりません。

 これは橋のようなカードで個別に決められていましたが、今後は一般ルールの1つとなり、ポーションや負債についても適用します。わざわざ尋ねてくる人もいましたから。ブドウ園のコストは街道が場に出ているときいくつになるでしょう。0コイン、1ポーション、0負債です。

〔以上〕


更新履歴
2019年9月25日現在
・2019年9月26日 同日10時編集分を追記。
 f.dsの投稿に対する編集分を追加しました。
・2019年9月28日 同日3時編集分を追記。
 移動阻止ルールの追記を反映しました。カードが「一度場を離れてから戻ってきていた場合」も、以前と変わりなく移動できないと明記されました。例を挙げると、王子で使用した鉱山の村を廃棄し、墓暴きで回収して再度使用しても、クリーンアップフェイズに捨て札にしたとき脇に置くことはできません。


 

 ちなみにオンラインでの実装はもうしばらくかかりそうです。でも、ドミニオンオンライン選手権の真っ最中、それも最終盤に実装していいのかしら?

 個人的には旧消息不明ルールの異端的条項「使用したカードは場に出ていると予期される」が明記されたのはよかったと思うんですが、そんなことよりカードエラッタインパクトのほうが一般的には大きいですよね。Captain - 死の荷車なんて2ヶ月ばかりの徒だ花でした。2のトラッキング上の変更などが難しいと思うので、細かい挙動については別記事で書きたい。では。